平成29年2月26日、今年度最後の中央学術研修会が開催されました。
金沢市勤労者プラザにて、朝日山一男先生(帝京大学非常勤講師、(公社)全日本鍼灸マッサージ師会スポーツ事業・災害対策委員長)による、介護予防と高齢者のための機能訓練についてのご講義のあと、実際に介護予防のための筋力訓練を行いました。
人間は動物であり、生きることは動くこと。
適度な運動を続けることが健康寿命を伸ばし、元気で長生きする一番の秘訣です。
寝たきりの方へも、ご自分で動かせるところをサポートしながら、その方ができる訓練を続けていくことで、機能の維持向上につながります。
朝日山先生は、これからの鍼灸マッサージ師は、ただ治療院で鍼灸マッサージをしているだけではなく、運動、食事、休養など生活指導がしっかり出来てこそ、地域で必要とされるとおっしゃっていました。
そもそも東洋医学とは、痛いところだけ、出ている症状だけ、体だけをみるのではなく、体、心、生活を自然の流れも含めて全体的にみるものであるということを再認識いたしました。
鍼灸マッサージ師会としての東京オリンピックに向けての取り組みや、災害支援についてのお話もお伺いすることができました。
昭和39年の東京オリンピックでは、トレーナーを帯動していない国の選手に対して、100名の鍼灸マッサージ師が施術を行ったそうです。今度のオリンピックでも選手をサポートできるよう、様々な取り組みや研修が行われています。
災害支援については、業界団体として現在も東日本大震災や熊本地震の支援を継続しています。鍼灸マッサージ師も、個人としてではなく団体として参加することで、医師等で構成される支援チームに加わり連携して動くことができ、結果として必要なところに適切な支援をスムーズに提供することにつながります。災害支援に対応できる鍼灸マッサージ師が増えるよう、来年度も講習会や研修会が開催される予定です。
朝日山先生には数年前も県師会でご講義をしていただきましたが、変わらぬ溌剌としたお姿で、運動継続の重要性を身をもってお示しいただきました。貴重なご講義をありがとうございました。
午後からは引き続き同会場にて臨時総会が開催されました。来年度の予定等についての議案が提出され、つつがなく終了いたしました。
(報 告:松田鍼灸治療院:松田 有里)