9月13日(日)、石川県地場産業振興センターにて、セイリン株式会社様の主催で、田口玲奈先生による『産科セミナーin金沢 鍼灸師として知っておきたい妊産婦診察のポイント ~鍼灸治療ができること~』が開催されました。
田口先生は、明治国際医療大学 鍼灸学部 臨床鍼灸学講座で主として婦人科領域のご研究をされています。
鍼灸師が知っておくべき産科領域における基礎知識や、妊娠経過に伴い出現する疾患や愁訴についての鍼灸の適応と不適応についてご講義いただき、治療の実際の流れや妊婦さんの腰痛に対する耳鍼の実技も行ってくださいました。
東洋医学的な診察の組み立てや所見の取り方はもちろん大切ですが、これから鍼灸が産科領域においてもっと一般の方や医療関係者の方に知っていただき、必要とされている方のお役にたつためには、鍼灸師が正しい医療知識を持った上で、しっかりしたエビデンス(研究の結果、効果的であると統計的に認められていること)に基づく治療を提供していく必要があります。
ただ昔から行われていて経験的に効くから鍼灸をするのではなく、ここまではエビデンスがあり鍼灸をお勧めできるが、ここからはできない、という限界もしっかり知っておくことが大切、という熱い想いで、田口先生がご研究に取り組んでいらっしゃることが伝わりました。
研究データでは、妊娠経過や産後において、つわり、逆子、腰痛、こむらがえり、和痛(陣痛をやわらげる)や陣痛促進、乳汁分泌、産後うつに対する鍼灸治療の有効性は、十分には確立されていないものの、有効である可能性があるとのことです。
臨床では、妊婦さんの腰痛、こむらがえり、つわり、逆子、乳汁分泌は、比較的ご相談される率が高いご症状です。
私たちも、学んだことを糧に、さらなる研鑽をして参りますので、妊娠経過においてこのようなご症状でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談くださいませ。