小児はりでお子さまのすこやかな成長を!
小児はりは、日本で江戸時代から関西を中心に行われてきた“ささないはり”。
皮膚をやさしく撫でたりさすったりするごく軽い刺激で、
お子さまの成長過程にあらわれる
疳の虫の症状を和らげます。
疳の虫(かんのむし)ってご存知ですか?
疳の虫は、特定の病状や疾患を指すのではなく、生後3カ月~3歳くらいまでのお子さまによく起こる症状を指します。
夜泣き、イライラ、寝つきのわるさ、夜わっと泣いて起きる、かんしゃく、キーキー言う、頭を壁に打ちつける、噛む、ものを投げる、爪を噛む、人見知り、よく泣く、など様々な状態を指します。
疳の虫はお子さまの成長過程で起こります。脳が発達していくときや、身体的に成長してお子さま本人が訴えることができない疲労が蓄積しているときと考えてください。例えば、保育園や幼稚園へ行き出したときは、全てが新しい経験であり、目や耳に飛び込んでくる情報量の多さに脳がオーバーヒートしそうな状態です。また、今までハイハイしていたお子さまが立ち上がり二足歩行へ移行するときは、そのお子さまにとっては初めての体の使い方であり、重たい頭を支えるために子どもだって肩が凝ります。でも、子どもは自分でどういう状況が起こっているかわからず、もちろん訴えることもできません。そのような時に、疳の虫の症状を出すことで、一生懸命に心身の状態を表現しているのです。そんな疳の虫の症状に、小児はりは良く効きます。
どうして効くの?小児はり
皮膚は体の中で一番大きな感覚器官です。
皮膚は、新生児ではおよそ体重の20%を占めており、心理学者の山口創先生は、“子供の「脳」は皮膚にある”とおっしゃっています。皮膚はもともと脳と同じところから発生していて、脳は触ることはできないが、触ることのできる皮膚に心地よい刺激を与えることで、お子さまの自律神経の安定や脳の発達を促します。また、皮膚刺激が免疫力の向上につながり、丈夫に育ちます。
また、東洋医学の考えでは、経絡というツボの流れが全身を走っています。皮膚に分布し、五臓六腑につながる経絡の流れを刺激することで、心身の発育を促し内臓の調子を整えます。
疳の虫以外にも効きますか?何歳まで大丈夫なの?
疳の虫のほかにも、食欲不振、便秘がち、下痢しやすいなどの胃腸症状、風邪をひきやすい、気管支喘息などの呼吸器症状、その他、夜尿症、鼻炎、アトピー性皮膚炎など、慢性的な症状にも継続していくことで効果があります。いわゆる疳の虫が出やすい0歳から3歳くらいまでのお子さまだけではなく、小学6年生くらいまで小児はりの適応です。ただ、体質やご症状によっては、大人の鍼やお灸が適していることもあります。
通えないとき、何か方法がありますか?
体質改善を目的としている小児はりの場合は、長期にわたって治療が必要なことがあります。あまり頻繁に通えないという場合は、ご自宅でお母さまやお父さまがお子さまにしてあげられる方法があります。徳島の鍼灸師の先生が小児はり、お灸のかわりにスプーン、歯ブラシ、ドライヤーを使った方法を考案してくださいました。その方法をお伝えいたします。毎日少しずつされることで症状がだんだん落ち着いてきて、体も変化していきます。心地よい皮膚刺激は、親子の情愛をはぐくみ、ひいては他者への信頼感や社会性を養うホルモンの分泌を促すことがわかっています。
小児はりでお子さまとご家族の笑顔を!
詳しくはお近くの治療院へご相談ください。